HDDのよくある故障の症状は?確認方法や対処法まとめ
パソコンに起動に必要なOSはもちろん、ソフトウェアのインストール先やデータの保存先などに必要なHDD(ハードディスク)。パソコンのパーツの中でも非常に重要なもので、丈夫な作りをしていると思う方は多いのではないでしょうか?
しかし、とてもデリケートな部品を使用して作られている精密機器なので、壊れやすく故障することが多いパーツなのです。また、最近では耐久性がありスピーディなデータの読み書きが可能なSSD(ソリッドステートドライブ)が普及していますが、価格が高いことから安価で入手できるHDDを使用している方が多いでしょう。
そこで、今回はHDDのよくある故障の症状をはじめ、状態の確認方法やトラブルが起きたときの対処法などをご紹介していきます。この記事を読んでいるということは現時点で困っている方が多いと思いますが、そうでない方も急なトラブルに備えてぜひ読んでみてください。
HDDが故障したときのよくある5つの症状
精密機器であるHDDは普段の使い方やちょっとした衝撃が加わるだけで不具合を起こしてしまいますし、最悪の場合は故障してしまうことも少なくありません。また、故障前には何らかの前兆が現れると言われていますが、普段との変化に気づかなかったりパソコンに詳しくなかったりすると、なかなか気づけないものです。
そうなると、パソコンを使用中にトラブルが発生したときには、すでにHDDが故障している可能性が高いです。ここでは、そんなHDDが故障したときによくある5つの症状をまとめてみました。
PC起動時にエラーメッセージが表示される
パソコンを起動してディスプレイにエラーメッセージが表示されていませんか?エラーメッセージにはいくつかの種類があり、「正しく開始できませんでした」やブルースクリーンの表示と一緒にメッセージが表示される場合は、故障している可能性があります。
また、メッセージは表示されませんが、データの読み書き時間が極端に遅い、または作業中にフリーズするような症状が頻繁に発生する場合も、故障の疑いがあると言われています。
PCの電源が突然落ちる、または再起動する
パソコンを使用しているときに、突然電源が落ちてしまったり再起動が開始されたりといった症状が現れてはいませんか?このような症状はHDDが故障している際に発生するトラブルの1つです。
HDDにはパソコンの起動や動作に必要なデータが保存されている場所です。その場所が故障していれば当然正常な動作を行うことができないので、予期せぬシャットダウンや再起動が行われてしまうようです。
OSが立ち上がらない
保存しているさまざまなデータの中の1つとして、HDDにはパソコンの起動に必要なOSも保存されています。そのため、パソコンは起動してもOSが立ち上がらない場合は、機器が故障している場合が多いようです。
また、セーフモードによる起動を進めるメッセージが表示されることがありますが、この場合も機器の故障が考えられます。他にも、メーカーのロゴが表示されたまま先に進まないというトラブルがありますが、この場合も故障の疑いがあると言われているようです。
HDDが認識されない
パソコンに接続してもHDDが認識されないということはありませんか?このような症状は外付けタイプの記憶媒体に多いトラブルとなっていて、本来なら自動的に認識されるようになっていますが、故障していると全く認識されなくなります。
ちなみに、認識トラブルの多くは機器の電源を入れていなかった、きちんと接続されていなかったという凡ミスが原因となる場合が多いです。しかし、電源が入っていて接続状態にも問題がない場合は、機器が故障している可能性が高いでしょう。
PCから焦げ臭いニオイや異様な音がする
パソコンを使用しているときに何かが焦げたようなニオイがする、または普段は聞こえなかった異様な音がしていることはありませんか?これらの症状はHDDが完全に故障しているサインです。
また、故障状態がより悪化している場合は、パソコンから煙が立ち上がることがあります。そのまま使用を続けると火災を引き起こす危険性があるので、機器の異常を感じた場合はすぐにパソコンの電源を切り、専門業者に相談しましょう。
HDDの故障を判断する確認方法
パソコンで起こりうるトラブルの原因は一時的な不具合という場合もあるので、必ずしも故障しているというわけではありません。とはいえ、パソコンを使っている方の多くは「トラブル=故障」と考えてしまうでしょう
ここでは、HDDの故障を判断する確認方法をまとめてみました。パソコンに詳しくない方でもやり方さえ知っておけば簡単にできる方法もあるので、「故障かな?」と不安に思う方はぜひ参考にして、実際に試してみてください。
HDDを取り出して別のPCに接続する
パソコンを2台以上お持ちの方は、故障の疑いがあるHDDを別のパソコンに接続してみてください。もし故障していなければ他のパソコンに接続すると認識されるので、この場合は元々使用していたパソコンが故障していると言えるでしょう。
しかし、この方法は外付けHDDであれば非常に簡単な確認方法ですが、内蔵されている機器の場合はパソコン関連のスキルが必要になります。というのも、パソコン本体から取り出して別のパソコンに内蔵しなければならないからです。
そのため、もしもこの方法に不安を感じる方は、以下でご紹介する別の方法をまず試してみて、それでも改善できない場合は専門業者に相談してみてください。
PCの基本機能を使って状態をチェックする
HDDの状態はパソコンに搭載されている基本機能を使うことで確認することができます。Windowsパソコンを使用している方は、左下のスタートボタンを右クリックして、「ディスク管理」を選択してください。
そうすると現在使用しているHDDの状態が表示されるので、そこから機器の状態を確認することができます。ちなみに、「正常」と表示されていれば故障していないので、問題なく使用することができます。
Macパソコンを使用している方は、アプリケーションフォルダからユーティリティを選択して、さらにディスクユーティリティを選択してください。そうすると左側に接続している機器が表示されるので、確認したいディスクを選択して「First Aid」タブを選択。次に右下の「ディスクの検証」をクリックすることで状態をチェックできます。
特に問題がなければ緑色の文字で問題ないというメッセージが表示されます。しかし、故障や何らかのトラブルが発生している場合は、わかりやすく赤文字でエラーメッセージが表示されるようになっています。
累計稼働時間や使用年数を確認する
どんな機器にも寿命があり、HDDの平均寿命は時間にして1万時間、年数にして約3~4年だと言われています。寿命が近くなる、または寿命を迎えた機器は当然故障してしまうので、不具合を感じた場合は累計稼働時間や使用年数を計算してみてください。
ちなみに、どれくらい使用しているかわからないという場合は、累計稼働時間を計算するソフトの使用がおすすめです。故障の有無を確認する機能も付いているので、きちんとした状態確認ができるでしょう。
ウイルスに感染していないか確認してみる
故障の症状が現れた場合、機器が破損しているのではなくウイルスに感染しているケースも少なくありません。そのため、ウイルスソフトを使って一度感染の有無を確かめてみてください。
大切なデータを守るための対処法
HDDが故障すると保存していたデータが使用できなくなるので、大切なデータを保存している場合は非常に困りますよね?そんな大切なデータを守る場合には、故障時の対処法としてデータ復元ソフトを使ってみてください。
この対処法は「パソコンが起動する」「HDDが認識されている」という2つの条件がそろっていれば実行できます。また、データ復元ソフトには有料版だけでなく、手軽に使用できるフリーソフトもたくさんあります。
しかし、データ復元ソフトの使用はどうしても機器に負担がかかってしまうので、状態悪化の可能性を考えるとデータのバックアップを取っていない方にはおすすめできません。
対処できないときは専門業者に相談を
よくある故障時の症状をはじめ、状態確認や対処法などをご紹介してきましたが、「もしデータが消えたらどうしよう」「いろいろ試したけど対処できない」という方もいるはずです。そのような場合は、プロの専門業者に一度相談することをおすすめします。
専門業者のスタッフは専門的な知識や技術を身に付けているので、安全のデータを復元させることができます。また、故障している場合は新しい機器への交換も依頼できるので、自分で対処できないときは専門業者へと依頼してみてください。