NASやサーバーについて障害の原因と対応方法を解説
ネットワーク上から保存データにアクセスできる「NAS」や「サーバー」ですが、突然電源が入らなくなった、データにアクセスできなくなったという経験はありませんか?どちらも精密なマシンなので、何らかが原因で障害が発生してしまい、業務に支障をきたしてしまうことがあります。
このような場合、間違った対応を取ってしまうとデータの破損に繋がってしまい、復旧が難しくなる、または復旧ができないといった最悪の状態になってしまいます。そうならないためにも、NASやサーバーを運用しているのであれば、適切な対応方法を知っておくことが大切です。
そこで、今回はNASやサーバーで発生する障害について、その原因と対応方法をご紹介していきます。また、多くの方はこれらを同じものだと認識している傾向がありますが、それぞれには異なる点があるので、NASとサーバーの違いについてもご紹介していきます。
NASとサーバーって同じもの?
それぞれの利用方法を知っている方に質問ですが、NASとサーバーを同じものだと認識していませんか?確かに共通する部分はありますが、実はそれぞれで違いがあるのです。そこで、ここではまずこれらの違いについてまとめてみました。
ちなみに、利用目的によってどちらが適しているのかが異なるため、違いを知ることでNAS・サーバーのどちらが適しているのかを見直すことができるでしょう。それでは、どのような違いがあるかを見ていきましょう。
NASとサーバーの違い
NASはデータの保存や共有などを主に行う機器となっていて、ストレージに特化しているのが大きな特徴です。特別な設定は必要ないので導入しやすいといったメリットがあり、共有スペースをチーム単位で確保したいといった目的に向いている記憶媒体となっています。
一方、サーバーはデータ保存の他に豊富な拡張機能を備えているため、拡張性・柔軟性に長けているのが大きな特徴です。データへとアクセスするユーザーが多い、莫大なデータの管理が必要など、このような利用目的に向いていると言われています。
このように、それぞれの特徴を挙げてみると、「同じようであって実は違うもの」であることがお分かりいただけたと思います。さらに、目的によって適した機器が異なるので、これから導入する方はそれぞれの特徴と利用目的に合わせて選ぶと良いでしょう。
ファイル管理や共有できる点はどちらも同じ
上記ではNASとサーバーの違いについてご紹介しましたが、インターネット上でデータファイルの管理や共有ができるといった共通点があります。そのため、どちらも同じものだと認識している方が多いのでしょう。
しかし、ご紹介したようにそれぞれの特徴は異なりますし、NASは低コストで導入できるといった利点もあります。つまり、NASとサーバーは似ているものの、共通点はデータファイルの管理・共有できるという部分だけということです。
NASの障害の原因4つ
まずはNASで発生する障害の原因と対応方法をご紹介していきます。利用中に何らかのトラブルが発生した場合でも、原因や対応方法を把握しておくと、大切なデータを守ることができるでしょう。それでは、原因と対応方法について、一つひとつ見ていきましょう。
本体部品が故障している
機器の本体にはCPUをはじめさまざまな精密部品が使用されています。そして、起動中には内部で熱が発生するため、外部へと逃がすためのファンが必ず設置されています。しかし、そのファンが故障していると内部で熱がこもってしまい、温度が上昇することで熱に弱い精密部品まで故障してしまうのです。
こうした本体部品が故障している場合、修理や交換によって改善されることもあります。しかし、外部から判断するのは難しいので、部品が故障していると断定できない方は多いようです。
システムファイル、またはドライバが破損している
システムファイルやドライバが破損していると、本体の電源が入らない、またはデータファイルにアクセスできないといった症状が現れます。このようなトラブルはシステム障害と言われていて、ハードウェアが故障しているわけではないようです。
しかし、パソコン関連に詳しい方であれば判断できるかもしれませんが、利用している方の多くは原因がわからないという場合がほとんど。また、RAID構成の機器を使っている方に多いのですが、HDDを単品で取り出してパソコンに接続するのはNGです。
HDDが故障している
精密機器であるHDDは、振動・衝撃・熱暴走なので故障しやすいデリケートな部品です。ちょっとしたことで故障してしまいやすいので、突然故障してしまいさまざまな障害が派生してしまうことがあります。
また、長い期間使用している場合は、経年劣化による寿命が原因で故障してしまうことがあります。この場合も故障には変わりないので、NASに障害が発生する原因となってしまいます。
OSにトラブルが発生している
パソコンと同様にNASにもOSが搭載されているのですが、何らかのトラブルが発生することで起動しなくなってしまうことがあります。この場合、マニュアルからエラー情報を取得する方法がわかるので、原因がわからないときは一度試してみると良いかもしれません。
障害が発生した場合の対応方法
では、障害が発生した場合の対応方法をご紹介します。
まずはランプの状態を確認する
本体には動作状況を点滅のしかたや色で表すランプが設置されている機器が多く、一目で現状を把握することができます。電源が入らない、調子が悪いなど、何らかの障害が発生した場合は、一度ランプの状態を確認してみてください。
ちなみに、ランプによって表される状態については、NASのマニュアルに記載されていることがあります。そのため、パソコン関連にあまり詳しくない方でも、場合によっては原因を特定することができるでしょう。
長期間作動している状態なら再起動を試す
長時間NASを動かしている場合、帯電が原因で障害が発生することがあります。起動中は内部で静電気が発生し、使用後に電源を切ることで放電されます。しかし。長期間の使用では静電気が溜まり続けてしまい、帯電してしまうのです。
この場合の対応方法は、機器を再起動させること。再起動によって放電させることで、通常通り作動させることができるケースは少なくありません。しかし、正しい手順で実行しなければ別のトラブルを招く可能性があるので、再起動をする際は必ずマニュアルに従って行ってください。
サーバー障害の原因3つ
ここでは、サーバーに発生する障害の原因と対応方法についてまとめてみました。NASの場合とは異なる障害の原因や対応方法となっているので、一つひとつ見ていきましょう。
本体の内部パーツが故障している
サーバーに障害が発生した場合、内部パーツが故障している可能性があります。特に、24時間ずっと稼働させているサーバーの場合に多く、内部パーツが常に熱を帯びている状態となり、それぞれの部品が劣化しやすいからだと言われています。
また、地震や落雷などの自然災害が原因でパーツが破損するケースもあります。本体は精密機器の塊のようなものなので、災害によるダメージを受け場合、故障によって障害が発生している可能性があるでしょう。
アクセスが集中している
サーバーはアクセスが集中しすぎてしまうと、アクセス数に対しての処理が間に合わずダウンしてしまいます。機器の故障ではないものの、アクセスできなくなると業務に支障が出てしまうので、何らかの対応が必要になるでしょう。
サイバー攻撃を受けている
障害が頻繁に発生する場合は、サイバー攻撃を受けている可能性があるかもしれません。これは、外部からサーバーに大きな負担を与え、システムをダウンさせてしまう手法だと言われています。最近では巧妙なサイバー攻撃が増えているので、事前に対策をしておくことで障害を防ぐことができるでしょう。
サーバー障害が発生した場合の対応方法
クラウドサービスを利用する
サーバーに負荷がかかることで障害が発生する場合は、クラウドサービスを利用することで負荷を分散し、障害を防ぐことができます。クラウドサービスの利用にはコストがかかりますが、利用した分だけ料金が発生するサービスの利用は、対応方法として人気の手法となっているようです。
負荷分散装置で他のサーバーに切り替える
障害発生時への対策になりますが、負荷分散装置を利用すれば障害が発生した場合でも、正常に稼働するサーバーへと切り替えることができます。サーバーがダウンするとさまざまな支障をきたしてしまうので、対策として事前に準備しておくと良いかもしれませんね。
適切な対応で障害を改善しよう
ご紹介したように、障害が発生する原因にはいくつかの種類があり、改善するための対応方法も存在します。原因を特定するための障害の種類や対応方法を知っておくと、その場ですぐに改善できるかもしれません。
しかし、場合によってはご紹介した内容では対応できない場合もあります。再構築が必要な場合は自分で行うと失敗のリスクが高いので、専門業者に相談することをおすすめします。