失敗しないraid再構築の手順と注意点

失敗しないraidの再構築の手順と注意点

大量のデータを保存する場合や安全かつスピーディなデータ共有が可能になる「raid」。複数のHDDやSSDを組み合わせて使用する機器で、大事なデータを消してしまう心配がなく、データの復元も簡単に行うことができると言われています。

そんなraidですが、組み合わせている機器が故障した場合、再構築することでトラブルを改善することができます。最近ではraid機能を使った家庭用のNASも普及しているので、トラブル発生に備えて再構築の方法を知っておきたいという方は多いでしょう。

しかし、再構築の実行は失敗する可能性が高く、大切なデータを失ってしまうというリスクも伴うと言われています。そこで、今回はraidを再構築する方法と失敗しないための方法をご紹介していきます。

raidの再構築とは?どんな効果があるの?

raidの再構築とは?どんな効果があるの?

そもそも、raidは複数の記憶媒体(HDDやSSD)を組み合わせ、1つのドライブとしてパソコンに認識・表示させる技術のことです。単体の記憶媒体と比べてどれか1つが故障したとしても、システムの稼働を継続できるといった冗長性があるのが大きな特徴です。

そして、再構築は故障や不具合の発生した記憶媒体を別のHDDやSSDにデータを復元し、システムを通常通りに復元させる方法のこと。ちなみに、最近では新しい記憶媒体に交換したときに自動で再構築を行う機能が搭載されている製品もあるようです。

通常であれば1つの記憶媒体がパソコンに内蔵されているため、故障した場合は交換しなければ使用できなくなります。また、外付けHDDやSSDも同様です。しかし、raidなら交換は必要ですがシステムが停止することがないので、トラブルが発生した場合でも安心ですし、再構築することで元通りに復元することができます。

raidを再構築する方法

再構築の具体的な方法は使用する機器のメーカーによって異なるようですが、基本的な手順や方法は以下の通りとなっています。

  • データのバックアップを取る
  • システムを停止させる
  • 故障した機器を交換する
  • 正しい順番で再構築を実行する

まずは重要度の高いデータから順にバックアップを行ってください。というのも、長年使用している場合は1つの機器が故障する=他の機器も故障している可能性があるからです。そのまま再構築すると場合によってはエラーが発生してしまい、起動しなくなるといったトラブルが発生するケースがあります。

バックアップを取り終えたら、システムを停止させて機器の交換を行います。稼働中でも再構築を行うことはできるものの、目的の機器とは違う機器を交換してしまうとデータ消失や故障の原因になるので危険です。そのため、必ずシステムは停止させてから実行しましょう。

新しい機器への交換が完了したら、順番通りに再構築を行います。書き込む構築情報の順番を間違えた場合、データが上書きされることで元々のデータが消えてしまいます。ですので、再構築の順番に間違いがないかを確認してから実行してください。

再構築は失敗する可能性が高いので要注意!

再構築は失敗する可能性が高いので要注意!

これまでの内容からraidの再構築についてお分かりいただけたと思いますが、実は失敗する可能性が高く、データを失ってしまったという方は多いと言われています。また、再構築をデータの復元と勘違いしている方も多く、それが原因で失ったデータを復元できなくなったというケースも多いようです。

ここでは、そんなraidの再構築に関する注意点についてまとめてみました。パソコン関連の知識を持っていう方や熟知している方であれば問題ありませんが、そうでない方は以下でご紹介する注意点をきちんと把握しておくことをおすすめします。

再構築はデータの復元ではない

raid機能を使った機器の多くは、取扱説明書にトラブル発生時の対処法として「再構築をすればデータを復元できる」といった内容が記載されています。しかし、実際はデータの復元方法ではなく、システムを正常に戻すための方法です。

そのため、データ復元を目的としている方が再構築を行い、データを復元できなかったという方は多いようです。そのため、再構築=データの復元は間違いであることを覚えておいてください。

再構築をしているデータにアクセスしない

再構築をしている最中でも実行中のデータにアクセスすることは可能です。しかし、再構築を行っている最中は機器に大きな負担をかけているため、その状態でアクセスするとより負担をかけることになってしまいます。

その結果、再構築の成功率が低くなってしまいますし、負荷をかけることで機器の寿命を縮める原因になり、故障時期を早めることになります。そのため、再構築を行っているときは他の操作をしないよう注意しましょう。

取り出した機器をPCに接続しない

故障したと思われるHDD、またはSSDを取り出した後に、パソコンに接続してデータの復旧作業を行う方が多いと言われています。元々から1つの機器として使用されている記憶媒体であればデータの復元は可能ですが、raidの場合は複数で1つの機器として認識されています。

そのため、一部の機器と取り外してそこからデータを復元しようと試みても不可能です。また、接続すると初期化を促すメッセージが表示されるため、誤って実行を行うと保存データをすべて削除してしまうことになります。

ちなみに、初期化を行った機器のデータ復元は、通常のデータ復元に比べて難易度が高くなるので、大切なデータを取り戻せなくなるかもしれません。そのため、故障が原因で壊れた機器は、パソコンに接続しないように注意してください。

取り外す機器のシリアル番号を事前に控えておく

raid構成された機器には、それぞれにシリアル番号がついています。1つひとつの機器を識別するための番号なので、故障した機器を交換する場合は事前にシリアル番号を控えておくことをおすすめします。

 

これは、正常な機器と故障した機器を間違えて交換してしまうというミスを防ぐことが目的です。もしも気づかずに使用しているとトラブルの発生に繋がるので、再構築を行う際は必ず故障した機器のシリアル番号を事前に把握しておきましょう。

raidの再構築に失敗したくないなら専門業者に依頼する

パソコン関連の正しい知識を持っている方であれば、raidの再構築に失敗する可能性は低いかもしれません。しかし、raid技術を使った家庭用のNASの普及が進んでいることから、パソコン関連の知識を持たない利用者が多い傾向があります。

そのため、自分で行う再構築の成功率は低く、重要なデータを消失してしまうケースが多いようです。そのため、確実性を重視するのであれば専門業者への依頼をおすすめします。専門的な知識に加えて高い技術を持つスタッフが対応してくれますし、安全にデータを復元するための設備が整った環境で作業を行います。

また、プロに依頼すればムダな作業時間や労力を使うことがなく、高確率でデータを復元することができますし、ほぼ確実にraidの再構築を成功させることができます。

確実に成功させるならプロの専門業者に依頼してみよう!

raidの再構築は自分で行うことができるものの、正しい知識がなければ失敗してしまう可能性が高く、大切なデータを復元することができなくなるかもしれません。そうならないためにも、故障した機器から確実に再構築を行い、データ復元の安全性を重視するのであれば、プロの専門業者に依頼してみましょう。

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