外付けHDD、内蔵HDDから異音がする場合の原因と対処法
一般的に使用率の高い記憶装置と言われているHDD。パソコン内部に設置する内蔵型だけでなく、持ち運びに便利な外付けHDDなど、目的や用途によって使い分けている方は多いのではないでしょうか?
そんなHDDですが、使用中にこれまでに聞いたことのない音が聞こえてはいませんか?正常に起動しているときでも駆動音は発生するものですが、異常が現れている場合には普段聞きなれない異様な音が発生します。
そこで、今回は外付けHDDや内蔵HDDから異音についてご紹介していきます。異音が発生する原因や対処法などをご紹介しているので、現時点で機器から普段とは違う音がすると感じている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
HDDから変な音が!?異音の原因と症状
HDDは内部に情報の読み書きを行う「磁気ヘッド」、情報を記録する円盤型の「プラッタ」と呼ばれる部品が使用されています。起動するとプラッタが回転しながら磁気ヘッドでデータの読み書きを行うので、正常に起動しているときでも「ブーン」「カリカリ」といった音が発生します。
しかし、異常が発生しているとこれらとは異なる音が発生します。ここでは、そんな異音が発生する原因と症状についてまとめてみました。「なんだか普段と違う音がしている気がする…」という方は、以下でご紹介する内容と使用中のHDDの状態を照らし合わせてみてください。
異音が発生する主な原因は2つ
まず異音が発生する原因ンですが、主な原因として「磁気ヘッドの故障」「ファームウェア障害」の2つに分類されると言われています。それでは、それぞれの具体的な症状について見ていきましょう。
【磁気ヘッドが故障している】
すでにご紹介しているように、HDDは磁気ヘッドによってデータの読み書きを行っています。この磁気ヘッドが故障していると、回転しているプラッタに接触して傷をつけてしまい、重度の物理障害が発生してしまいます。
また、このような場合には「カタカタ」「カチカチ」といった音が発生すると言われています。正常に起動している状態では聞くことのない異音が発生するので、すぐに機器の異常に気づくことができるのではないでしょうか?
【ファームウェアに不具合が発生している】
HDDは「ファームウェア」と呼ばれるプログラムで作動しています。このプログラムに不具合が発生してしまうのも異音が発生する原因と言われており、磁気ヘッドの故障と同様の音が発生すると言われています。
ちなみに、ファームウェアの不具合はその他の障害との判別が難しいと言われており、自力でプログラムの修復を行うのはほぼ不可能だと言われています。正確な機器の診断・手順を行う必要があるため、改善が必要な場合はプロに相談する必要があるでしょう。
故障時に発生する異音の種類
上記でご紹介した主な異音以外にも発生する音にいくつかの種類があります。
- シャー、シーッ:内部パーツが接触している
- カコンカコン、キュルキュル:機器内部で物理障害が発生している
- カックンカックン、カチャカチャ:重度の障害が発生している
このように、磁気ヘッドやファームウェアの障害発生時の他にも、上記のような音が発生する場合があります。発生する異音によって原因が異なりますし、機器の状態にも違いがあるので、これらの音が発生している場合はすぐに使用を中止してください。
というのも、異音が発生しているときには機器に物理的な障害が発生しているため、そのまま使用を続けてしまうと状態の悪化、最悪の場合は故障によるデータ損失の恐れがあります。
状態悪化はデータ復旧を行う際に復旧率を低下させる原因にもなるので、少しでも異常があると感じた時には正しい手順ですぐに電源を切り、専門業者に相談することをおすすめします。
異音が発生したときにやってはいけないNG行為
HDDから異様な音が発生した場合は物理的な障害が発生している可能性が高い状態です。そのため、早急に対処しようとさまざまな操作を行う方は多いと思いますが、異音が発生している状態でやってはいけないこともあります。
ここでは、異音が発生したときにやってはいけないNG行為をまとめてみました。NG行為は状態の悪化やデータ復旧率の低下を招く恐れがあり、最悪の場合はデータ復旧会社でも復元不可能になることもあるため、以下でご紹介する内容をしっかりと把握しておきましょう。
電源の入・切を繰り返す
パソコンや周辺機器に不具合が発生した場合、一度電源を切って再度入れなおすことで改善されることがあります。しかし、物理障害が発生している状態でこの行為を行うと、状態の悪化を招いてしまう恐れがあるので危険です。
また、異音が発生してすぐの状態であればデータ復旧会社に依頼することでデータ復旧が可能であるケースが多いです。ですが、状態が悪化すると障害レベルが高くなり、専門的な知識と技術を持っても復元が難しい、または不可能な状態になるので注意しましょう。
再起動を複数回行う
機器の再起動も不具合の改善方法として行われる代表的な方法の1つです。一時的なトラブルであれば再起動することで正常に起動させることができるので、普段とは異なる音が発生したときに試してみたという方は多いでしょう。
しかし、この行為も状態悪化を招く原因となる可能性が高いと言われています。さらに、再起動を複数回行う行為はHDDに過度な負担をかけてしまうため、元々は軽度の障害だったものが重度の障害に悪化する恐れがあります。
HDDを別のパソコンに接続する
故障しているHDDは別のパソコンに接続しても状態は変わりません。また、別のパソコンに接続して動作確認を行う行為は機器に負担をかけることになるので、状態の悪化に繋がる恐れがあります。
機器に衝撃を加える
HDDは衝撃に弱いといった特徴があるため、異音がするからと言って機器を叩くような行為はNGです。電化製品の場合に多い傾向がありますが、不具合が発生したときに「軽く叩いてみたら直った」という場合がありますが、HDDの場合はその軽い衝撃が致命傷になる可能性が高いので絶対に衝撃を加えないでください。
分解して修理を行う
パソコン関連に詳しい方に多いとされるNG行為ですが、HDDを分解して自力で修理をする行為はNGです。HDDは非常にデリケートな精密機器で構成されており、プラッタに1粒でもホコリが付着してしまうと故障してしまいます。
そのままの状態であれば可能だったデータ復旧が不可能になる恐れがあるので、知識があるからと言って機器を分解するという行為は絶対に行わないでください。
異音が発生したHDDからデータを復元する方法
何度もご紹介しているように、異音が発生しているHDDは内部で物理的な障害が発生している可能性が高いです。内部全体やいずれかの部品が故障することで発生する症状なので、自力でデータ復旧が可能となる専用ソフトでは復元できません。
このような場合は、データ復旧会社に依頼することで目的のデータを復元することが可能です。データ復旧会社では復旧作業に最適な設備が完備されている他、専門的な知識と高度な技術を持っているスタッフが在籍しています。
障害レベルや機器の状態にもよりますが、高い復旧率を期待することができるので、重要なデータを保存しており復元が必要な場合はデータ復旧会社に相談してみましょう。
異音が発生したらすぐに機器の使用を中止すること!
HDDが内蔵されているパソコン、または外付けHDDを使用している際に異音が発生した場合は、すぐに機器の電源を切って使用を中止することが重要なポイントです。今以上にHDDへと負荷をかけないよう使用を中止することで、データ復旧率の低下を防ぐことが可能です。
この記事では異音が発生したときにやってはいけない行為についてもご紹介しています。今まで正常に利用できていたHDDでも劣化によって寿命を迎えると故障によって異音が発生する可能性は高いので、聞きなれない音が発生した場合には機器の使用を中止して、データ復旧が必要であればデータ復旧会社へと相談してみてください。