HDDを暗号化する方法と注意点

HDDを暗号化する方法と注意点

近年、新型コロナウイルス感染拡大の影響からリモートワークが一般化されています。そのため、会社で利用するパソコンを社外に持ち出して利用する方は多いのではないでしょうか?

しかし、業務を行う場所が問われないという点では良いのですが、社外で重要なデータが保存されたパソコンを利用するには盗難・紛失などのリスクを伴います。悪意ある第三者の手に渡ると重要なデータを悪用されてしまうため、情報漏洩を防止するためにHDDの暗号化が注目されていると言われています。

そこで、この記事ではHDDの暗号化について方法や注意点についてご紹介していきます。この他にも暗号化をする際に知っておきたい情報もいくつかご紹介しているので、安全なデータの管理やセキュリティ強化を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

暗号化の効果と重要性

暗号化の効果と重要性

仕事で普段からパソコンを利用しているからと言って、その全ての人が暗号化について知っているとは限りません。この記事を読んでいる方の中にも、「HDDの暗号化って何だろう?」と疑問に感じている方はいるのではないでしょうか?

そこで、ここでは暗号化の効果や重要性についてまとめてみました。暗号化をする方法を知ることだけでなく、まずはどういった効果がありどれ程の重要性があるのかを理解することが大切です。それでは、暗号化の効果・重要性について見ていきましょう。

他人にデータを見られる心配がない

HDDを暗号化するとパスワードを入力する、または指紋認証を行わなければ保存データにアクセスすることができません。つまり、他人に重要なデータを見られる心配がなく、万が一盗難や紛失をした場合でも社外秘や個人情報が外部に流出する心配がなくなります。

最近ではリモートワークが一般化されているので、会社で利用するパソコンを社外で利用される方が増加している傾向があります。また、普段は社内で業務を行っている方でも出張や営業の際にパソコンを社外に持ち出すことがあるでしょう。

会社で利用するパソコン(HDD)には外部に漏れ出てはいけない情報がたくさん保存されているはずです。HDDの暗号化とは、そうした重要データを他人に見られない・盗まれないという効果があります。

盗難・紛失しても情報漏洩を防止できる

社外でパソコンを使った作業を行っている方は、自宅だけでなくカフェや出張先など屋外で利用される方もいると思います。このような状況だとパソコンを盗まれてしまう危険性がありますし、盗難に遭わなくても外出先でパソコンを失くしてしまう可能性もあります。

しかし、HDDの暗号化を行っておけば、仮に盗難・紛失した場合でも他人がパソコン内のデータを見ることも編集することもできません。そのため、情報漏洩を防止できることから最近ではHDDの暗号化が注目を集めているようです。

もしものときの損害を最小限に抑えられる

会社で利用するデータの取り扱いは、社員であれば誰もが細心の注意を払って利用していることでしょう。しかし、場合によっては何度もご紹介しているように盗難や紛失によって重要なデータを失ってしまう可能性があります。

データ消失パソコンを失くすよりも会社にとって大きな損害になりますが、暗号化を行っていればもしものときの損害を最小限に抑えることができます。しかし、データのバックアップがなければ情報漏洩は防げても手元にデータがない状態になるので、屋外でパソコンを利用する前にバックアップを取っておくことをおすすめします。

HDDの暗号化の種類は3つ

HDDの暗号化の種類は3つ

HDDの暗号化には3種類あります。HDDを1つの箱に例えるなら暗号化はその箱をロックする鍵となります。そして、暗号化の種類によって箱ごと鍵をかける、中身別に鍵をかけて保存することができます。

以下では、そんな暗号化の種類について具体的な効果やメリットについてまとめてみました。HDDの暗号化を検討している方は、ご紹介する内容を理解して目的に合った暗号化を行ってみてください。

フォルダ、またはファイル単位の暗号化

1つ目の暗号化はフォルダ、またはファイル単位で行うものです。保存データの全てではなく、機密性の高いデータのみの暗号化を目的としている方はこの種類の暗号化がおすすめでしょう。

メリットとしては重要なデータのみを個別で守ることが可能であり手軽に実行できる点です。しかし、暗号化を行ったフォルダ、またはファイルを開く度に認証が要求されるので、人によっては暗号化することで手間を感じるといったデメリットもあります。

また、個別で行う種類なので重要データが複数あった場合、いずれかのフォルダやファイルの暗号化を忘れてしまう可能性も少なくありません。さらに、OSやアプリケーション関連のファイルを暗号化してしまうと、パソコンが起動しなくなる恐れがあります。

ドライブ単位の暗号化

2つ目の暗号化はドライブ単位で行うものです。Windowsの場合だとCドライブ、Dドライブなどが存在します。そして、一般的にはCドライブにはOSやアプリケーション、Dドライブにはデータを保存されるケースが多いと言われています。

メリットとしては誤ってシステム関連のファイルを暗号化しないため、パソコンが起動しないといったトラブルを防止することができます。また、データが保存されたドライブを暗号化することで、機密性の高いデータを漏らすことなく保護できます。

しかし、この種類の暗号化はシステム関連とデータの保存先のドライブを最初から分けていることが前提条件になります。もしドライブ単位での暗号化を行うのであれば、一度各ドライブの中身を確認して、必要であればデータの差し替えを行いましょう。

単位ではなく全体の暗号化

3つ目の暗号化はHDDそのものに鍵をかける全体の暗号化です。上記でご紹介した2種類に比べて最も手軽であり重要なデータも確実に守ることができます。また、パソコンごと盗まれた、または内蔵HDDのみを抜き取られたとしても、他人が保存データにアクセスすることはできないため、情報漏洩の危険を大幅に軽減することが可能です。

メリットとしては必要なデータにアクセスしても認証を求められない、フォルダやファイル、ドライブを問わずどこに保存しても暗号化さること。しかし、別の記憶媒体にデータを移行・コピーした場合には注意が必要です。

例えば、すでに暗号化を行ったHDDから新しく購入した外付けHDDにデータをコピーした場合、外付けHDDを暗号化していなければ誰でもデータの閲覧・編集が可能です。簡単に言うと、鍵付きの箱から鍵の付いていない箱に中身をコピー・以降させただけの状態になるので、情報漏洩を防止するのであれば外付けHDDにも暗号化を行う必要があります。

HDDを暗号化する3つの方法

これまでの内容から、HDDの暗号化について効果や種類についてお分かりいただけたと思います。それでは、実際に暗号化を行うのであればどういった方法があるのでしょうか?ここでは、HDDを暗号化することができる3つの方法をご紹介していきます。

暗号化機能付きのHDDを使う

販売されているHDDの中には、そもそもから暗号化機能が搭載されているものもあります。OSやアプリケーションなどのシステムに影響を与えることもなく、これまでと変わらない使用感で利用できるので、パソコン関連に詳しくない方でも手軽で簡単に利用することができるでしょう。

専用ソフトを使用する

既存のHDDを暗号化するのであれば、専用ソフトを使って暗号化を行う方法があります。使用する専用ソフトによってはUSBメモリーやSDカードなど、HDD以外の記憶媒体にも暗号化を行うことができます。また、一度の設定で暗号化が施されるので手間がかからないといった利点があります。

OSに標準搭載された暗号化機能を利用する

お使いのパソコンがWindowsであれば「BitLocker」と呼ばれる暗号化機能が標準搭載されています。低コストで暗号化を行いたいのであればこちらの方法がおすすめでしょう。ちなみに、この方法ではドライブ単位での暗号化を行うことになるので、実行する場合はドライブの中身を確認しておきましょう。

HDDを暗号化するときに注意すべきことは?

HDDの暗号化は他人からデータを見られない・盗まれないといった効果がありますが、認証を突破されてしまうと第三者でも保存データの閲覧・編集が可能になります。そのため、よりセキュリティを強化するためにもパスワードの回数制限を設ける、または二段階認証を導入することが大切です。

また、HDDが内蔵されたパソコンごと盗難・紛失した場合、機器は買い替えることができますが、保存データはバックアップがなければ失ったも同然です。データを悪用されなくても会社にとって大きな損害になるので、定期的なバックアップを行う必要があるでしょう。

他にも、普段は認証を求められなくても突然認証を要求されることがあります。この際にIDやパスワードを忘れていると目的のデータにアクセスできないので大切に管理しておきましょう。

暗号化でセキュリティを強化しよう!

会社で利用するデータを使って社外で作業を行う場合、そのデータを保存しているHDDのセキュリティは強化しておく必要があります。社外での利用が自宅のみであれば少しは安全ですが、屋外で利用する場合には盗難や紛失の危険性があります。

しかし、HDDを暗号化しておくことで他人からデータを盗まれる・悪用されるリスクを大幅に軽減できます。また、会社で利用するデータや情報だけでなく、あなた自身の個人情報を守ることにも繋がるので、ご紹介した内容を参考にして暗号化を行いHDDのセキュリティを強化してみてください。

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